大好きな、三代目、桂春團治師匠が亡くなりました。

私は、関西での仕事も多く、師匠の「高座」に何度かめぐりあえました。
幸運でした。

でてきただけで、華やかさを感じさせてくれる。
色気があり、また、羽織の脱ぎ方が最高にきれい。
まくらはふらない。

私のあこがれの「師匠」でした。

そんな、師匠を偲んで。DVDにもある「極め付け十番」を

1.「子ほめ」
ポピュラーな演目である。
師匠の、演出は、喜六のただ酒をのみたいために歩きまわるところ
の「躍動感」が最高。楽しい「噺」となっている。

2.「祝のし」
二代目、三代目と歴代春團治の「十八番」
洗練されたテンポのよい「噺」となっており、おめでたい席で
必ず演じる演目。

3.「寄合酒」
師匠が、初舞台でかけた「演目」とか。
爆笑ネタ。「鯛の料理」をするところなど、とても楽しい。

4.「野崎まいり」
「情景」の「噺」 船にのる人。 おかを行く人。
春の「はなやかさ」がとてもよく感じられる。

5.「代書屋」
私の一番大好きな「噺」
米朝師から教わった「噺」であるが、完全に春團治師の
「十八番」に。名前の、河合浅次郎は、二代目の「本名」である(笑)

6.「お玉牛」
ご存じ「たまちゃん」
艶色の「噺」であるが、師匠がかけると全然「汚さ」がない。
むしろ、「美しさ」を感じる。

7.「親子茶屋」
桂米團治家の「お家芸」の「噺」だった。
これも、米朝師から、三代目に伝わったとか。
ハメモノの噺で、三代目の得意分野である。

8.「いかけや」
「おったん」 かわいいなあ。
三代目の、子供って、めちゃかわいいんだよなあ。
大好きな「噺」

9.「高尾」
「代書屋」の次に大好きな「噺」
「幽霊」の感じが素敵だし、何とも言えない「色気」を演出している。
「あら不思議やなあ、高尾の姿ありありと♪♪♪」

10.「皿屋敷」
これも、三代目の独壇場。
米朝師から、伝えられた「噺」
三代目は、みごとに「米朝師」の「噺」を完全に自分のものにして
米朝師は、その「噺」はほぼかけなかったとのことだ。

最後に。私の好きな桂米二師匠のメルマガの記事を載せさせていただきます。

(以下)
昨年3月に師匠、桂米朝が亡くなりました。喪中になりますので新年のご挨拶を控えさせていただいておりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

そんなところへまた訃報が飛び込んできました。新年早々だというのに。デヴィッド・ボウイも驚きましたが、我々にとってはもっと大きな存在であった三代目桂春團治師匠。それもテレビのニュースで知ったから余計びっくりで悲しゅうございました。

上方落語界で三代目と言えば桂春團治。桂米朝も三代目でしたが、うちの師匠のことは三代目と呼ばなかった。それは「地獄八景亡者戯」の中の台詞にもありますが、それまでに米朝という名前で死んだ噺家はいなかったのです。初代米朝は後に三代目文團治、二代目米朝は後に三代目米團治という名前を襲名しましたから。

今から8年前のことです。桂枝光君の結婚式披露宴で春團治師匠とテーブルが同じでした。念のためにお断りしておきますが、枝光君は2回目の結婚式です。

その席で久しぶりに春團治師匠と一緒にお酒を飲む機会がありました。三代目は上機嫌で、

「うちで飲むからおいで」

とまで言うてくれはったのです。こんな機会は滅多にありません。お言葉に甘えてほいほいとついて行きました。その時にこんなことをおっしゃってました。

「僕は君の師匠の米朝さんに、いろいろとネタをいただいた」

そうなんです。うちの師匠から「代書屋」「親子茶屋」「皿屋敷」などが伝わっております。これについてはこんな話が残っております。

ずいぶん前、三代目春團治を襲名されるという頃、酒の上でうちの師匠が説教したそうです。

「春團治になるというのに、そんな持ちネタが少のうてどないする」

うちの師匠はその夜、それを言うたことも忘れてガーガーといびきをかいて寝ておりました。

あくる朝(というてももう昼前やと思います)、目を覚ましたら枕元に三代目が座ってはったんです。だいぶ前から起こさずに待ってはったらしいですな。一升瓶をそこへ置いて。

「すまん。噺の稽古をしてくれ」

頭を下げて頼みはったんです。それに感激して意気に感じたうちの師匠と三代目の稽古がそれから始まったとさ。めでたし、めでたし。

やっぱり一升瓶の力は大きいちゅうことですなあ。……違うか。

三代目と私との会話に戻します。

「一番稽古してもらってよかったと思うのが『代書屋』や」

そうです。三代目の十八番中の十八番です。三代目に稽古してから、逆にうちの師匠はあまりやらなくなりました。

「あの『女郎買いに行った』というところな、あそこで僕は間(ま)を持つようにしたんや」

この噺をご存じの方はすぐにわかりますね。代書屋に職歴を訊かれてるのに主人公の頼りない男はこんなことを言います。

「これは、わいと松ちゃんが女郎買いに行たんでんねん」

それを聞いた代書屋が、

「…………あんたちょっとアホと違いまっか」

ここで三代目は突っ込みまで長い間を持ちはるんです。うちの師匠はわりとすぐに突っ込むんですが……。

ここを自分で工夫したとおっしゃったんです。この長い間の後の突っ込みで爆笑になります。このことを私に言うてくれはったんです。その時、実際に仕種入りで目の前でやって見せてくれはりました。やっぱりここはそういうことだったんですね。よくわかりました。その華麗な仕種も目に焼き付けました。

私、今は三代目の呼吸でここをやらせてもらってます。後にうちの師匠にこのことを報告したら、

「わしゃ、そこでそんな長い間はよう持たんわ。三代目ならではやなあ」

うちの師匠は大のイラチですからねえ。こんなことも言うてました。

「三代目はほんまに律儀な男や」

三代目桂春團治師匠のご逝去で、上方落語四天王はすべてあちらの世界へ旅立たれました。ということは、これからは我々の時代ですな。……こんな強がりを言うて悲しみを紛らわせてます。


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